遺言は人生の締めくくりとともに、ご家族へのメッセージや財産の行方を決める非常に重要な手続きです。
にもかかわらず、遺言は、法律上、厳格な手続き(要件)が要求されており、手続きを遵守しない場合は、遺言が無効になる場合もあります。
今回は、遺言の作成について分かりやすく解説していきます。
遺言には種類がありますが、
よくテレビを見ていると、おじいちゃんが遺言を書いていたみたいで、部屋の整理をしていたら出てきました、等の場面があるかと思います。
まずは、この身近な遺言である自筆証書遺言について説明します。
ざっくり言いますと、遺言者本人が自筆で作成するものを、自筆証書遺言といいます。
自筆証書遺言(民法第968条)には遺言が有効となるための要件があり、簡単に説明しますと
1.遺言書の全文、遺言の作成日付及び遺言者氏名を、必ず遺言者が自書し、押印します。遺言の作成日付は、日付が特定できるよう正確に記載します。
例)「令和3年3月吉日」は不可(具体的な日付が特定できないため)。
2.財産目録は、自書でなく、パソコンを利用したり、不動産(土地・建物)の登記事項証明書や通帳のコピー等の資料を添付する方法で作成することができますが、その場合は、その目録の全てのページに署名押印が必要です。
3.書き間違った場合の訂正や、内容を書き足したいときの追加は、その場所が分かるように示した上で、訂正又は追加した旨を付記して署名し、訂正又は追加した箇所に押印します。
出典:法務省ウェブサイト(03 遺言書の様式等についての注意事項 | 自筆証書遺言書保管制度) 2026年1月14日閲覧
>>1.でいう「自書」は、いわゆる自力での手書きです。
記載事項は、大まかにいうと
①法律で決まっている法定記載事項として
・財産処分に関する事項…遺産を誰にどのくらい相続させるのか、法定相続人以外の人に遺贈する、法定相続分と異なる相続割合の指定、相続人の廃除や廃除の取り消し等
・身分関係に関する事項…子どもの認知、未成年の子どもに後見人を指定する等
・遺言執行に関する事項…遺言執行人の指定など
②法的な効力はないものの、想い等を記載する付言事項があります。
…かなり記載事項があり、記載しなければならない分量がありますね。
そのように考えると、手書きは、かなり負担になるようにも思えます。公正証書遺言を用いれば、手書きの手間はなくなります。
公正証書遺言については、またコラムに記載させていただきます。
押印は認印でもよいですが、シャチハタは経年でインクが薄れていきますので長期保存に向きませんので避けるのをおススメします。
>>2.財産目録は、自書でなく、パソコンを利用したり、不動産(土地・建物)の登記事項証明書や通帳のコピー等の資料を添付する方法で作成することができますが、その場合は、その目録の全てのページに署名押印が必要です。
⇒財産目録を例に挙げますとこのような形になります。(裁判所の財産目録記載例リンクに飛びます)
2026年1月14日閲覧
財産目録には、記載項目が多々あり、
不動産(土地)にいたっては、地番、地目、地積等、記載すべき事項が多くあるため、ご自身で記載されるのは面倒に思われるかと思います。
その際は、財産目録については、自書ではなく、パソコンの利用も可能なのですが、
目録の記載のあるすべてのページ(両面印刷の場合は両面)に、リンク先記載のように署名押印を入れます。
※甲野太郎 印 の箇所が、署名押印箇所です。署名ですので、パソコンでの入力(記名)ではなく、自署いただく必要があります。
出典:法務省ウェブサイト(001279213.pdf)2025年1月14日閲覧
>>3.書き間違った場合の訂正や、内容を書き足したいときの追加は、その場所が分かるように示した上で、訂正又は追加した旨を付記して署名し、訂正又は追加した箇所に押印します。
修正する際はリンク先のような形になります。
出典:法務省ウェブサイト(https://www.moj.go.jp/content/001279214.pdf)2026年1月14日閲覧
遺言書を書いたとしても、だれも見つけてくれない・・・という事態もありえます。
自筆をしたものはどこに置いたと話しをしておく必要があります。
また、自筆証書遺言が有効になるためには、開封前に家庭裁判所による検認手続きが必要なのですが、検認手続きを経ていないにも関わらずご家族が開封をしてしまい、無効となる場合もありえます。
そのような事態を避けるために、法務局に保管する制度が提供されています。
この制度に関する説明もコラムにて実施予定です。
当事務所では法務局での保管を前提とした遺言書の作成についてもご対応可能ですので、
自筆証書遺言をご検討の際は、
ぜひ一度ご相談いただければと思います。
※本コラムは、2026年1月14日時点の情報をもとに記載しております。
また、記載に関しては一般的な見解であり、記載にしたがったことにより損害が仮に生じた場合でも、当事務所は責任を負いません。
事案における見解が必要な場合は、ご相談ください。
